看護師の2交代制と3交代制についてメリット・デメリットを解説
看護師として働く際、勤務形態には2交代制と3交代制があります。2交代制と3交代制の特徴をしっかりと把握しておくことが大切です。
この記事では、看護師の勤務形態である2交代制と3交代制のメリットとデメリットを解説します。記事を読めば、2交代制と3交代制の特徴を把握して、適切な勤務体制を作れます。
看護師の勤務形態と勤務時間
看護師の勤務形態は、主に以下2つのどちらかです。
- 2交代制
- 3交代制
2交代制
2交代制は、日勤・夜勤の2つにわける勤務形態のことを指します。勤務時間は、日勤の場合は朝7時から夕方16時までで、夜勤の場合は夕方16時から翌朝7時までが多いです。2交代制では勤務日数が少ない分、1回の勤務時間が長くなります。夜勤明けには、次の勤務まで十分な休息が取れるのが一般的です。
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3交代制
3交代制は、早番・遅番・夜勤の3つにわける勤務形態のことを指します。時間帯の名称は、前夜勤・日勤・早番のように異なる場合もあります。それぞれの勤務時間は通常8時間に平準化されていて、24時間患者のケアが可能です。3交代制は、人数が確保できている企業であり、適切な人員配置ができるのが前提です。
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2交代制と3交代制のメリット・デメリット
2交代制と3交代制の勤務形態ごとにメリット・デメリットを解説します。
2交代制のメリット
2交代制のメリットは以下のとおりです。2交代制は、3交代制と比較して仕事のスケジュールが規則的であるため、さまざまな面で安定しやすいです。
- 収入が安定しやすい
- 生活リズムが乱れにくい
- 仕事の効率が良くなる
- 休憩時間が長く取れる
- ワークライフバランスを取りやすい
収入が安定しやすい
2交代制の看護師は、夜勤手当の支給が高額になることが一般的です。夜勤手当は一回当たり約11,000円で、月に3〜5万円程度を稼げます。長い勤務時間と夜間の労働が多く、夜勤の負担が大きい分、相応の補償がされているためです。ただし、勤務している病院によって条件は異なるので注意してください。
生活リズムが乱れにくい
看護師の2交代制では、勤務時間が一般的に16時間と長く設定されています。勤務日数が少なくなることが多いため、休日が多く取れる可能性が高いです。体のリズムを整えやすく、日中の自由時間を確保しやすい環境が整います。
2交代制の勤務体制により、勤務と休日の周期が一定しており、体内時計が狂いにくいというメリットもあります。家族や個人の趣味との時間を大切にしたい看護師にとっては大きな魅力です。
2交代制は勤務日数が少ないため、長期間の連休を取りやすいという特徴もあります。家族との時間を確保したり、旅行などのプライベート活動を楽しむことも可能です。
仕事の効率が良くなる
2交代制では、一日が長時間勤務に割り当てられることが多いです。通常、勤務時間が日勤と夜勤の2つに大別され、それぞれのシフトが12〜16時間続きます。長いシフトを設けることで、看護師は一日に必要な業務を一貫して行えることがメリットです。
時間勤務をすることで、患者との関係を深める時間が増え、患者一人ひとりに対するケアの質が向上します。継続的に患者の状態を観察し、必要な介入を都度実施できるためです。
2交代制の勤務ではシフト交代の回数が減るため、発生する業務の引継ぎが少なくなります。情報の伝達ミスが減少し、連携ミスによる問題の発生も少ないです。看護師が長時間勤務をすることで、患者の状態や必要な対応を把握しやすくなり、効率的に業務を進められます。
休憩時間が長く取れる
2交代制では勤務時間が一般的に16時間と長く設定されているため、休憩時間も長く取れます。勤務中に2時間以上の連続休憩を確保できるケースが多いです。勤務の疲れをしっかりと回復させ、精神的・身体的な負担を軽減できます。
長時間の休憩は勤務中のストレスを和らげ、仕事の効率を高める効果もあります。休憩時間には仮眠を取ったり、個人的な時間を持ったりできるため、仕事とプライベートのメンタルバランスを保ちやすいです。体力を消耗しやすい夜勤中でも十分な休憩を確保することで、患者への対応が柔軟になり、看護の質の向上にもつながります。
ワークライフバランスを取りやすい
2交代制は日勤と夜勤の切り替えが少ないため、生活リズムを一定に保ちやすいです。通常、一週間に同じシフトが何日か続くため体内時計を安定させやすく、プライベートの時間を計画的に使えます。勤務が長期間にわたって同じパターンで続くことは、家庭生活や趣味の時間を大切にする看護師にとって嬉しいポイントです。
子育て中の看護師がいる場合、シフトの予測が立てやすく、家庭での役割を果たしやすくなります。自分自身の健康管理や趣味の時間を持つことはストレス発散に役立つため、仕事のパフォーマンスの向上にもつながる可能性が高いです。
2交代制は勤務日が比較的少ないため、長期休暇を取得しやすいのもメリットです。長い休暇を利用することでリフレッシュする時間を持つことができ、職場復帰後の効率も高まります。看護師が仕事とプライベートを有意義に両立させるための良い環境を提供可能です。
2交代制のデメリット
2交代制には以下のデメリットがあります。
- 長時間の労働を強いられる
- 夜勤と日勤の間隔が短い
- 体のリズムが崩れやすい
2交代制は、人が少ない企業であるケースが多いです。勤務時間が長く、夜勤と日勤の間隔が短いことが身体の負担になる可能性があります。
長時間の労働を強いられる
2交代制の勤務形態では、1日の勤務時間が通常12〜16時間に及ぶことが多いです。看護師にとって相当な長時間労働を意味します。長時間労働は身体的・精神的な疲労を蓄積させやすいです。長時間働くことは患者ケアの質にも影響を及ぼす可能性があり、看護ミスが増えるリスクも高まります。
長時間労働は、看護師自身の健康にも悪影響を及ぼすものです。以下のような心身の不調は、看護師の仕事を脅かします。
- 睡眠不足
- 慢性的な疲労
- ストレス
継続的な長時間労働はプライベートの時間を減らし、家族や友人との関係にも影響を及ぼすため注意が必要です。
夜勤と日勤の間隔が短い
2交代制では夜勤と日勤の切り替えが頻繁に発生し、休息の時間が十分に確保されない場合があります。短い間隔での勤務は看護師のリズムを混乱させ、睡眠障害を引き起こすこともあるので注意してください。
日勤と夜勤のサイクルが速いと体内時計がうまく調整されません。日中に眠気を感じたり、夜間に眠れなかったりする問題が生じます。
看護師が高い集中力を必要とされる医療現場で働く際、適切な休息が取れていないと、仕事中のパフォーマンスが低下するだけではありません。患者の安全にも影響を与えかねない重大なリスクが伴います。
心身の健康を害するという長期的な健康問題にもつながります。勤務スケジュールの見直しや夜勤と日勤の間の休息時間の確保が、看護師にとって重要です。
3交代制のメリット
3交代制のメリットは以下のとおりです。
- 労働時間が短くなる
- プライベートの時間を大切にできる
- 人数が多いため分業ができる
3交代制は労働時間が短く、1人あたりの負担が軽めです。各シフトが短いため、自分の時間を大切にできます。
労働時間が短くなる
3交代制の導入は看護師の労働時間を短くします。3交代制は1日の勤務時間が8時間程度と設定されており、2交代制に比べて短いです。
労働時間の短縮は疲労の蓄積を防ぎ、心身の健康を維持するうえで重要です。短い勤務時間は看護師が仕事中に集中力を維持しやすくなるため、患者へのケアの質向上にも役立ちます。
シフトが短いことで仕事の負担が均等に分散されるため、1日のうちで体力と精神力の回復時間を確保しやすいです。急性期病院や高度な医療を提供する施設において、看護師が高いパフォーマンスを維持するためにもおすすめです。
プライベートの時間を大切にできる
3交代制は、看護師がプライベートな時間をより多く持てる勤務形態です。シフトが8時間と短く設定されているため1日の中で自分の時間を確保しやすく、仕事後の疲れが次の日に持ち越されにくいです。オフの日を充実させたり、家族や友人と過ごす時間を確保しやすくなります。
勤務時間が一定で予測しやすいため、趣味や学習などにも積極的に取り組めることも特徴です。看護師が語学学習や専門的な資格取得のためのスクールに通う場合、3交代制であればスケジュール調整がしやすく、仕事と学習のバランスを取りやすいです。
人数が多いため分業ができる
3交代制の勤務形態は、業務の分業化が可能です。看護師がそれぞれ特定の仕事や患者のケアに集中できるように業務が割り振られます。各看護師は自分の専門性を活かしながら、効率的に仕事を進めることが可能です。
労働の負担が均等に配分されることで、個々の看護師が過度なストレスや疲労を感じることなく快適に勤務できます。専門性に応じた業務割り当ては、看護の質を高めるとともに、患者へのケアの効果を最大化することも特徴です。分業することで看護師が新しいスキルを学ぶ機会も増え、職場内でのスキル向上も期待できます。
3交代制のデメリット
3交代制には以下のデメリットがあります。
- 夜勤手当が少なくなる
- 生活が不規則になる
- 体調不良や睡眠障害のリスクが高まる
- コミュニケーションが取りづらい
夜勤手当が少なくなる
3交代制の導入は夜勤の回数が増える一方で時間が短くなるため、夜勤手当が減少します。夜勤手当は、夜間に勤務する看護師に支払われる追加の給料です。勤務時間が長ければ長いほど高額になります。3交代制ではシフトが8時間と短いため、1回あたりの手当が少ないです。
夜勤手当の減少は、夜勤を多くこなしている看護師の収入に影響を与えます。夜勤が多いと生活リズムが不規則になりがちです。不規則な生活を支えるための補償として、夜勤手当が重要な役割を果たしています。手当が少なくなることで看護師のモチベーションの低下や、職場への不満が高まることも考えなければいけません。
病院や医療施設は、夜勤手当の減少が看護師の生活に与える影響を検討しましょう。適切な給与体系や福利厚生の改善を図ることが大切です。
生活が不規則になる
3交代制では、生活が非常に不規則になりがちです。看護師が日勤、夕勤、夜勤と異なるシフトを頻繁にローテーションします。体内時計に影響を及ぼし、睡眠パターンの乱れを引き起こす一つの原因です。夜勤から日勤への急な切り替えは、十分な休息を取る時間が確保されず、次の勤務に疲労を持ち越すことがあります。
不規則な生活は食事の時間や質の低下、運動不足をもたらし、生活の質を低下させます。不規則な生活は、精神的な健康にも影響を及ぼすことも考えなければいけません。ストレスやうつ病のリスクを高める可能性があります。
体調不良や睡眠障害のリスクが高まる
3交代制の勤務形態は、体調不良や睡眠障害のリスクを高めます。頻繁に変わる勤務シフトは、睡眠に悪影響を与えるからです。睡眠不足は以下のような症状を引き起こします。
- 集中力の低下
- 記憶力の低下
- 判断力の低下
不規則な睡眠は、長期的な健康問題のリスクを増やすことが報告されています。看護師は常に精神的、身体的な要求に応える必要があるため、健康を損なうことは重大です。
コミュニケーションが取りづらい
3交代制においては、異なるシフトで働く看護師同士のコミュニケーションが難しくなることがあります。情報の引き継ぎが重要な看護の現場において、シフトが頻繁に変わることは問題です。重要な患者情報の伝達ミスや誤解が発生しやすくなります。
チームワークの構築が難しくなることも3交代制の一つの問題点です。同僚との関係が薄くなりがちで、職場での体制が整いにくくなることがあります。職場の士気や満足度を低下させる要因の一つです。
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看護師の2交代制と3交代制の給料
看護師の給料は、基本給に夜勤手当などが加算されて金額が決定します。基本給の額は、看護師個人の経験年数や職場の規模によって異なるため、年齢が同じでも差が出ます。2交代制と3交代制では、勤務形態の関係でも給料に差が出ることが多いです。
2交代制では、勤務時間が長く夜勤も多いため、全体的に給料が高くなる傾向にあります。しかし、3交代制では、勤務時間が短く、1人あたりの夜勤回数が少なくなるため、給料は低くなりやすいです。勤務先の給与体系や夜勤の頻度によって実際の収入は変わります。2交代制が収入面で有利かどうかは、一概に言えません。
ただし、夜勤手当が給料に占める割合が大きいため、回数が多いほうが収入が高くなる傾向にあるのは事実です。夜勤手当は、1回の夜勤ごとに固定額が支払われるか、勤務時間に応じて計算されるのが一般的です。
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看護師の勤務形態に関するよくある質問
看護師の勤務形態に関するよくある質問に回答します。
シフトはどれくらい前に決まる?
看護師のシフトは、一般的に1ヶ月前に決まることが多いです。企業側が勤務計画を立てやすくするために協力する必要があります。ただし、緊急を要する事態が発生した場合には、急に変更の連絡が来るケースもあります。
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連続勤務はどれくらいある?
連続勤務の日数は、勤務先の規定によるため、一概に言えません。労働基準法によって、最低でも週1日は休むべきとされているため、最大でも6日間の連続勤務が一般的です。
休日の確保はどうなっている?
看護師の休日は、勤務先の規定に大きく左右されます。週休2日制が採用され、しっかり休める環境が整っている企業が一般的です。しかし、人手不足などが原因で、週休1日の企業もあります。
まとめ
看護師の勤務形態には、2交代制と3交代制が存在します。給与面でどちらかに絶対的な優位性があるわけではありません。職歴や勤務時間帯などでも給料は変動します。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自身のライフスタイルや収入の希望を考慮して選びましょう。
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